絵画の名作は数メートル離れたソファでゆったり鑑賞するものだと説かれたことがあります。
印象派のモネの『睡蓮』の来日展示が叶った折に、それを実感しました。
そばでわかる様々な細かな色、細かい筆使いをはじめとするテクニックが、ベスト間隔で観ると得も言われぬ魅力となって視覚や意識に入って来ます。
正に音楽も。
音楽の場合は受け取る側ではなく演奏する側にその色彩感が必要です。
メロディの線、それを引き立てる数々の音、いくつもある旋律の優先順位。
ピアノ譜、1曲はいったい幾つの音符で成っているのでしょうか?
膨大な音符、そのどれもが主張しているわけではないのです。
でもどの音も省けない。
『睡蓮』のグラデーションのように音のグラデーションで響きが作られ流れが作られ音楽が出来る。
自分の音楽が。
自分色の音楽……素敵な色彩になりますように。