アコースティック楽器の良さは1台1台に味があり、弾き手によって異なる音色・息づかい・解釈が楽しめることに尽きます。
『ド』の音ひとつでも、ピアノの場合は、指の形、当たる角度や場所、指先、手首、腕、背中、体の重心の使い方、力の入れ具合、抜き具合で変わります。
ピアノは、存在感あるフォルムへの憧れと鍵盤に触れさえすれば誰でも音が出せる明瞭さで、先ずはハードルを感じずに手ほどきを受けられます。
弦や管、打楽器などはそうはいきません。
音を出せるようにすることから始まり音作りをしていきます。
ですから、先ずはそこに時間を注ぎます。
ピアノは簡単に音が出せてしまうので、音作りの意識がどうしても薄くなりますが、ひとたび音作りの妙を知るとはまります。
練習に潤いがプラスされ嬉しさも…。
時には心震える響きに出会えます。
白と黒の鍵盤から育まれ奏でられる色彩……素敵です。