「振ると面食らう」
失礼な言いようですが、なんと希代の大指揮者フルトヴェングラーをこう称していたオーケストラの面々がいたようです。
演奏の始まる前から指揮棒の先が震え始めるので、音の出だしを待ち構える演奏者にとって、アインザッツ(出だしの合図)が分かりにくいのでそんな風に言われていた面もあったのだとか。
私の高校生時代でも「指揮者といえばフルトヴェングラー」の熱烈なファンが多かったのですが、私の生まれる前に没していた人だったので残念ながら生での鑑賞は叶いませんでした。
厳しいリハーサル泣かせのトスカニーニと共に時代の大巨匠でした。
「振ると面食らう」指揮者は、多いように思います。
少ないながらも私もかつて経験した山田一雄先生をはじめ大家はどの方も難しかったです。
まあ、こちらの中身が及んでいなかった事に起因していたのだと思いますが。
先日、カラヤンに薫陶を受けた小澤征爾さんが亡くなりました。
カールベームのモーツァルトにも痺れました。
時代はどんどん変わりますが、オーケストラの豊潤な響きはいつの世にも……
と願います。