現代のグランドピアノは交差弦が主流です。
響きを豊かにするのに弦を更に長くする為の措置です。
それ故に大ホールでの演奏に力を発揮する楽器が出来ました。
それ以前は、全ての弦が真っ直ぐに張られている平行弦でした。
その平行弦の『伝説の赤いベヒシュタイン』
弾いて来ました。
譜面台や脚、鍵盤を支えるフォルムに見事な細工のある赤いというよりは茶の深いたたずまい。
値がつけられない貴重な逸品でした。
恐る恐る弾き始め、いつもの弾き方ではパッとしなかった音が、打鍵を少しはっきりさせてみるとびっくりするほどの透明感でなり始め、なんとグリッサンドでは1音1音全てがあまりにクッキリと経験したことの無い音質でクリスタルに響くので嬉しくなって弾きながら笑ってしまいました。
リストも愛用していたとか…。
弾きこなすには、曲目を選ぶこととピアノの性格をもっと知る時間が必要でしたが、楽しいひと時でした。