モーツァルトの左手

モーツァルトのピアノ作品は、順調に進んでいるレッスンですと割と早い段階で取り入れることが出来ます。

譜面もテクニックも難しくない

………💦

……………💦

という大きな誤解が大人になると分かって、人前で弾けなくなります。

そうなんです。

誤魔化しが効かない。

ミスタッチを云々する以前にモーツァルトらしさの音作りが難しい。

殊に… 左手が。

ピアノの初歩段階に散々弾いていたアルベルティさん考案のバス、ドソミソ ドソミソ🎶

現代のピアノの豊かな響きの所以もありますが、平易な形の伴奏のコントロールがとても難しい。

モーツァルトで定評のあったイングリット・ヘブラーさんは、殆どシフト・ペダルを踏んでの演奏だったと記憶しています。

「違う、ちがう」と、ひたすら余分を剥ぎ取った音の中に高貴な響きを求めて試行錯誤する楽しさ。

今日は出来なくても明日なら、と。

同じピアノで、同じ人間が、リストやショパン、ラベルやベートーヴェン、そしてモーツァルトを引き分ける。

贅沢な営み と思えます。

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