ショパンの『英雄ポロネーズ』に
「詩的でありながら迫力ある美しい音」を感じられるようになったのは、大人になってからです。
この曲に憧れ、喜び勇んで練習していた若い頃、ある程度弾けるようになってからはそれ以上の深い解釈ができず当然思っていた完成度も見込めず、…
幾度もあった触れる機会でも飽和点に負けて何となく避けていました。
大規模で華やか
堂々たる風格
壮大な構想
ほとばしる生命力と躍動感に聴き手が奮い立つ!
そのなかに『詩』を感じられる演奏に更なる魅力を見出せたのが大人になってから。
飽和点から先に進めて具体的な目標が持てた時は、内心嬉しいものでした。
ポーランドの音楽溢れる家庭に生まれ、力任せに弾くピアノは求めず、格調高く、琴線に触れる数多くの名曲に、その才能故に夭逝したのだとさえ思えます。
『英雄ポロネーズ』は最高傑作に数えられる名曲のひとつです。
カッコいいから憧れていた若さが、迫力の中の詩的な美しさに気づき、更にショパンが受けたであろう時代背景などのバックグラウンドに想いを寄せられる年齢になって益々ショパンが沁みます。