十年も前の若い頃の話しです。

門下生の発表会で、スクリャービンの『左手のためのノクターン』を弾きました。
そうです。
文字通り左手だけで奏でます。
彼が右手を痛めた際に作られた曲と言われています。

しっとりと情感豊かに歌い上げる素敵な曲です。
実は、とても気持ち良く弾けて、演奏中に一種のランナーズハイ状態に陥った唯一の経験でした。

この時の後日談で、ある生徒さんのお父様が、
「先生が、右手を使わず弾いているよ。
 怪我でもしたのか。」
と仰っていらした事を知りました。

うわっ!
演奏にそう思わせてしまう程度の覚束なさがあったか…
と、少し複雑な想いを抱いていました。

ですが、その後オブザーバーの方に
「それくらい、皆さんが先生を見守って、心配してくれていると言う事です。」
と。

演奏云々より右手を気にしてくれた心遣いに逆に感謝しました。
何より、「右手を痛めて左手の曲」というスクリャービンの意図は伝わった😆

そして、そうやって長年そっと見守り応援してくださる方々のお陰様を身に沁みている昨今です。

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