初めてフランソワの演奏に触れたのは、自分の演奏するドビュッシーに迷いがあった時でした。
驚きました。
”自由さ”にです。
卓越したテクニックと洞察の上に成り立った自由さ。
学生さんのお手本にはなりませんが、その魅力には直ぐに取りつかれました。
46歳で夭逝した天才。酒浸りでヘビースモーカー。
デカダン的な演奏には、端正な容姿と相まってハンサムさを感じました。
一度、ワインの席で、演奏する機会がありました。
🍷でほろ酔いの私、
出待ちのステージ袖で🍷をひっかけてステージに向かうフランソワを気取って
「舞い降りて〜」と思いながらスタインウェイの可愛いS -155を弾きました。
『トロイメライ』シューマン
『アナカプリの丘』ドビュッシー
『月の光』ドビュッシー
忘れもしないキラキラした経験でした。
ラヴェルの『鏡』、CDを取り出してしばし鑑賞…
最後の「道化師の朝の歌」
ちょっと酔って…、正に二日酔いの朝を思わせるような
フランソワならでの香り
参ったなあ
囚われてしまって忘れがたいです。
試験のお手本にはなりませんが、知っておいてほしい魅力です。