尾崎放哉 〜咳をしても1人〜

曲に対峙していると作曲者の孤独を良く感じます。
そして対峙している自分も孤独の中であがきます。

作曲されたバックグラウンドに想いを馳せると
洗練された裏に無骨なまでの人間の真面目さが見える時があります。

その理解が、私自身の人生の範囲でしか無くても
作曲家の想いへ一歩踏み込めたと思える時
今まで「何か違う」としっくり弾けなかったフレーズが
一皮剥けて理解出来たような気になります。

練習はその積み重ねです。

一皮剥けた実感が得られた時は、嬉しいです。
素直に喜びます。

でも、そこは1人で。

尾崎放哉さんの「咳をしても1人」には
寂しさだけでは無く静寂も楽しんでいたという解説を読んだ記憶があります。

彼は、孤独の中にも虫の声を聞きながら1人の静寂を楽しんでいたと言うことです。

寂しいけれど、1人の静寂もありがたい…と。

曲を仕上げるまでの練習の進捗状態は、自分が良く分かっています。

遅々として進まない時には、自分の力の無さに孤独を感じて寂しいです。

でも、これもある意味楽しみながら、
些細なことでも、自分にしか分からないことでも前に進んでいることを大切にしたいと思います。

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