ヨーロッパの音、アメリカの音 〜そして日本で求められるもの〜

元は、空気が乾燥し響きの豊かな建物が多いヨーロッパの楽器が
当時は畳のしかもピアノにとって大敵な湿気が多い日本に来ました。

私のピアノも日本製で始まりました。

大人になって響きを追及出来る様になった時に手元にきたドイツピアノは湿度管理
いわゆる気候風土の違いに伴うメンテナンスにとても苦心しました。

と同時に、どちらかと言えば工業的なガタイのしっかりしている国産
と柔らかなフォルムの違いも目の当たりにしました。

このドイツピアノは鍵盤数こそ88鍵でしたが、通常3本弦の高音に4本の弦が施されていました。
高音の響きを豊かにする為の工夫で、私も随分響きの勉強ができました。

国産ピアノはガタイがしっかりしている分、塗装が厚く重量も重くそれは丈夫なフォルム。
見えないところにもしっかり塗装が施されている念の入りよう。

私のドイツピアノは塗装は薄く所々亀裂が入り
しかも見えない所は塗装の筆運びが中途半端のまま残り??
(安物では決してありませんので。念の為)

しかしどうでしょう
共鳴板は見事にしっかりしていて経年劣化で手放す時に驚いた位です。

手放す数年前から楽器自体がとても繊細になり、ご機嫌を伺いながら弾くのが楽しかった。

ヨーロッパのスタインウェイがアメリカに渡って
コンサートの規模から大音量を求められる様になり…。

その上で、ピアノが庶民にも近くなり、
その流れが日本のピアノが量産される様になった一因でもあります。

音質の好みはありますが、
国産の家庭用ピアノは気候風土に則しているので
メンテナンスにそんなに神経を使わずに済むことと何より丈夫な点が良いです。

それぞれの利点を活かして自分の求めるものを見つけられたら良いですね。

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