ベーゼンドルファー・インペリアルは、
低音に9個プラスして97の鍵盤を持つコンサートグランドピアノです。
9個の鍵盤は、エキストラ・ベースと呼ばれ全て黒く塗られています。
弾くための鍵盤では無く共鳴させ豊かな響きを得るためのものです。
案外、コンサート・ホールで触れられる機会もあります。
ヨーロッパの他社には、同様の目的で高低それぞれに拡張して、
一般的ではありませんが、102鍵、108鍵のピアノもあります。
ヨーロッパの歴史ある数々の会社が、88鍵以上のピアノ作りをしていました。
現存しているものも勿論あります。
当時の作曲家のニーズに応えた試みと同時に演奏家が求める響きを追求した試みも。
パーソナルユーズといった所での営みだった様です。
ピアノの響きは今や現存するもので完成されていると思っていましたが、
どうやらそうでもなさそうです。
昨年のショパンコンクールで脚光を浴びたファツィオリに始まり
銘器を世に出しているメーカーが
108鍵やペダルが4本のピアノを当たり前に製作する時代が来るのかも知れません。
良い響きを求める欲。
終わりの無い探求がここにもありました。