「身体髪膚これを父母に受く、敢えて毀傷(きしょう)せざるは孝の始めなり」
この漢文に触れたのは20代半ばの頃でした。
大いに納得し親への感謝の念を改めて覚え、ピアスさえ開けずに今に至ります。
健康で幸せなことが一番の親孝行ということです。
親になるということはある意味、
『自分より大切な存在が出来ること』
と子育てをしてハッキリ意識できたかけがえのない大きな経験でした。
病気をさせないようにケガをさせないように
心もすくすくと育つ様に自分のことは二の次に生活の軸を作っていました。
そして何よりも独立した今でも笑顔を見られることが喜びです。
母は、晩年耳が相当遠くなりました。
不自由にも関わらず聞き取りにくいことに対しての愚痴は一言も聞いたことがありませんでした。
私のステージに出かけられなくなってからは、録画を楽しみに待ってくれていました。
音源を耳にしっかり当てて目を閉じて感じてくれていました。
終わると満足そうな表情で少し微笑んで静かに音源をテーブルに…。
母は、私の幸せを感じてくれて満足してくれていたのだろうと思っています。
「身体髪膚これを父母に受く、敢えて毀傷せざるは孝の始めなり」