
20世紀最高のピアニストの1人と称されたリヒテルは、
とてつも無い記憶力を持っていたそうです。
大巨匠のバックハウスなどは、楽譜のシミまで鮮明に記憶していたと。
羨ましいばかりの記憶力ですが、リヒテルは逆に忘れることが出来ないことに苦しんだそうです。
例えば、ステージでの失敗の経験や普段の生活で味わう嫌な思いや悲しい思いなど、
忘れたいことでも鮮明に覚えていることが辛かった。
有り余る才能と沢山の賞賛を得ても「忘れられないこと」が彼を苦しめていたそうです。
逆に、日本人の忘却力が凄い!という見方があります。
数々の大災害や敗戦からの見事な復興は、その忘却力があるから叶うのだと。
だからこそ次へ進めると。
しかも豊かな水源の国、「水に流す」すべを知っている。
私は日本人を、勤勉で真面目、そして不屈の精神を持ち合わせている民族だと思っていますが、
案外生きるための忘却力も持っているのかも…と思います。
記憶力と忘却力
程よいバランスなのが健全に生きる普通人。
そう考えると「普通で良かった。」と思うのと同時に
頭の片隅で、「出来ればもう少し記憶力が欲しかった〜」と思っている自分がいます☺️