江戸幕府5代将軍:徳川吉宗が発令した『生類憐みの令』を初めて知ったのは、
定かではありませんが、小学生の時か遅くとも中学生の頃の社会科の授業だったと思います。
お犬様を人より大事にした悪法と教わり、大人になるまで私にとっての将軍吉宗は人を蔑ろにした悪法を発令した人と認識していました。
しかし、ある時『生類憐みの令』が思いやりと誠実さのために導入されたことを知ったのです。
動物に対する保護が行き過ぎた為に悪法と言われがちですが、
人を含めて命を軽んじる風習を薄れさせた功績があったのです。
後にこの令は、儒学を重んじた結果に生まれた「人権を守る法」だった、という評価があったことも知りました。
私の認識が上書きされたのは言うまでもありません。
実際には当時、利権に使われ誤解された例もあるようですが、本来の目的はそうでは無かった。
人権を守る事の礎になる令だったのです。
果たして当時悪法として授業されていた先生は……。
未成熟な知識は罪だな、と感じた事例でした。
かく言う自分も微力ながら人にものを教えさせていただく身。
半端な知識の切り売りには重々気をつけなくてはいけませんね。