大巨匠で憧れて神様の様に思えるピアニストが何人もいます。
若い方々には馴染みが薄いかも知れませんが
20世紀最高のピアニストの1人と称されたスヴャトスラフ・リヒテルもその内の1人です。
リヒテルは、当時のソビエト連邦のピアニストでした。
ドイツ人の父親を持つウクライナ生まれでした。
難しい国情の関係で大変な才能を持ちながらも
世界デビューを思う様に進められずに在留ドイツ人として主にロシアで活躍しました。
彼が青年期の頃に、父は、スパイ嫌疑の為処刑、母は迫害を逃れドイツに亡命
リヒテルは独立独歩で勉強を重ねつつ活躍していたそうです。
彼は、亡命を警戒されて西側諸国に赴くことが許されず「幻のピアニスト」と称されていました。
当時、世界で偉大なピアニストと称されたエミール・ギレリスが、
「リヒテルを聴いてから評価してくれ。」と言った逸話も残っています。
世界で自由に演奏活動が出来る様になったのは、45歳からでした。
いつの世であっても
高みを目指す芸術家が自由で居られる世の中であって欲しいと願わずにいられません。