ブリュトナーへの想い 〜ドイツのピアノ〜

30代から30年近く手許にあった旧東ドイツのピアノ、ブリュトナー。

はるばるドイツから高音域に4本弦(普通3本弦)を携えてやって来ました。

さすがのドイツ名ブランドの逸品で特許を取得している4本弦(アリコート・スケーリング)と
しっかりした響板の成せる技で、響きが何とも言えない音の饗宴を醸し出してくれていました。

既に弾き込まれていたので、私の手許に届いた当初から最高に鳴っていました。

ですが、やはり消耗品。

年月を経てオーバーホールが必要になり施しましたが、ご機嫌の悪いことも多くなりました。

「わがままな、でも魅力的な中年のご婦人」に思えて
よく楽しみながらご機嫌を伺って弾いたものでした。

気候風土の違う日本で頑張ってくれました。

音楽人生のパートナーとして大事な時を一緒に過ごし沢山勉強させてもらいました。

ブリュトナーを卒業する日
運び出される現場を見ることが出来ず、隣の部屋から涙と共に気持ちで見送りました。

更なるオーバーホールをして次のステージへ赴くと聞いていました。
きっと今もあたたかく迎えてもらってあたたかく響いてくれていると思います。

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