今は、マンション暮らしな上に更に密閉度の高い防音室のお陰で、冬でもそうそう寒い想いをせずにピアノに向き合えますが、子どもの頃は大変でした。
昔の戸建ての家は寒く一晩暖房を切った部屋は冷え切って暖まるまで結構な時間がかかっていました。
時間の余裕がない時は、まだ部屋が温まらない内にピアノに向かいます。
寒い身体にかじかんだ手、冷たい鍵盤を押すと鍵盤の隙間からも冷気が…
ピアノも「寒い」と。
更にさかのぼること十数年
幼い頃
祖母宅は木造で、しかも古い建物だったので冬は本当に寒く、音楽家を志していた叔父は、冷たい部屋で懸命に指の強化練習をしていました。
「これで段々身体が温まって指も動くようになるんだよ!」
幼い私にはどれくらいの時が経っていたのかは分かりませんでしたが、そのうち叔父の額に汗が光ったのを覚えています。
学生時代の恩師は、ご自分の子どもさん時代のレッスンの思い出を披露してくださったことがあります。
当時、日本のピアノ界で第一人者と謳われていた◯◯先生宅のレッスンに伺っていた事、
夏、クーラーの無いレッスン室には涼を取るための大きな氷柱が置かれていた事、
上手に弾けないと氷柱の溶けた水を頭からかけられたことがあると…
「山形から夜行に乗って、サラリーマンのお給料ほどのレッスン料でそんな目に遭っていたのよ」
と笑って仰っていましたが、
これもまた寒い話しで💦
今では通じないスパルタも良し悪しで。
冬も夏もどちらも思い出して想像するだけで寒いです。
室温環境の良い部屋でコンディションの整ったピアノで勉強もレッスンも出来ることに感謝しています。