ピアノの前身の楽器の鍵盤数は、54鍵でした。
音楽の発展に伴い少しずつ増えて、1890年頃に88鍵になったと記録されています。
鍵盤数が88に満たない時代の作品には、作曲家が
「もっと鍵盤数が、音域が欲しい〜」と苦心のあとが見られるものが散見されます。
後々の研究でそれが明らかになった分については、脚注などで示されています。
ベートーヴェンのピアノソナタなど
「う〜ん、何でこの音?もっと上がって良くない?」と思わせるものなどは、
まさに鍵盤数が88に満たない頃の作品です。
ベートーヴェンは、当時の楽器でフルに音域を活用していた所以でもあります。
そして、何故88鍵に落ち着いたのか。
それは、それ以上の音域の音を人の耳が楽音として聞き取れないからです。
オーケストラには、いろいろな音域の楽器が幾種類もありますが、
それらの全ての音域をカバー出来る88鍵です。
ピアノ演奏にオーケストラの音をイメージすることが音楽の奥行きを深くする所以でもあります。
ですが、88鍵以上の鍵盤数を持つピアノもあることはあります。
それについては次回に。